GENERATIONS / 1970-2006

7世代、
7つの答え。

同じセリカという名を掲げながら、その中身はいつも少し先の時代を向いていた。ボタンを選んで、デザイン、走り、当時の空気をたどる。

初代 セリカ A20 A30

1970 - 1977 / FR

初代 A20 / A30

スペシャルティカーという新しい景色を、日本の若者に見せた一台。

時代の空気

カリーナと同時期に開発され、米国で成長していたスペシャルティカー市場を日本向けに再解釈した。フルチョイスとデイリー・オーダーは、多品種少量の受注に量産メーカーが挑んだ革新でもある。

このセリカが変えたもの

1970年登場。グレードや内外装を自分の感性で選べる発想は、国産車に新しい自由を持ち込んだ。後半には安全・排出ガス規制へ対応しながら、スポーツクーペの役割を広げた。

目を引くスタイル

ロングノーズと短いデッキを持つ端正なクーペ。1973年には大きなテールゲートを備えたリフトバックを加え、実用性とファストバックの造形を両立した。

走りを支えた技術

1600GTの2T-G、2000GTの18R-GというDOHCと、軽快なFRシャシーが初代の走りを決定づけた。

2代目 セリカ

1977 - 1981 / FR

2代目 A40 / A50

北米市場へ視線を広げ、成熟を深めた二代目。

時代の空気

1977年8月登場。北米デザインスタジオCALTYがスタイリングを担当し、初代より明確に海外市場を意識した。排出ガス規制のなかでもセリカの象徴だったDOHCを継続した。

このセリカが変えたもの

ボディを拡大し、快適性と安全性を高めた世界市場向けの商品へ進化。1979年のフェイスリフトでは角型4灯ヘッドライトを採用し、GTラリー系も追加された。

目を引くスタイル

低いベルトライン、広いガラス面、リフトバックの太いBピラーが特徴。衝撃吸収バンパーはウレタン製へ改められた。

走りを支えた技術

2000GTVは18R-GU型DOHCで130PSを発生。規制時代でも高性能グレードを維持したことが重要である。

3代目 セリカ

1981 - 1985 / FR

3代目 A60

直線とリトラクタブルライトをまとった、最後のFRセリカ。

時代の空気

1981年登場の三代目は、スペシャルティ像を大きく更新し、80年代初頭のトヨタ・スポーツを代表する存在となった。後輪駆動のセリカとして最後の世代である。

このセリカが変えたもの

ウェッジシェイプ、リトラクタブルライト、水平基調のインテリアを採用。FRらしい魅力を残しつつ、競技を意識した転換点でもあった。

目を引くスタイル

低いノーズとシャープなキャビンは、80年代の未来的なスポーツモデルを象徴する造形だった。

走りを支えた技術

1982年に3T-GTEU型1.8L DOHCターボを追加し160PSを実現。競技では4T-GTEを積むTA64がアフリカの長距離ラリーで活躍した。

4代目 セリカ

1985 - 1989 / FF / 4WD

4代目 T160

駆動方式を変え、世界ラリーを狙うための土台を手に入れた。

時代の空気

1985年、セリカはFRからFFプラットフォームへ移行。パッケージ効率と量産スポーツとしての近代化を選んだ大きな転換点である。

このセリカが変えたもの

同年のFF化とともに、4WDターボのST165 GT-FOURを設定。市販車の刷新が、トヨタの競技参戦を現実のものにした。

目を引くスタイル

リトラクタブルライトを維持しながら、ボディはより低く滑らかな印象へ変化。室内効率も高めた。

走りを支えた技術

1986年10月登場のST165は3S-GTEU型2.0Lターボ、185PS、フルタイム4WDを採用。WRC本格参戦の起点となった。

5代目 セリカ

1989 - 1993 / FF / 4WD

5代目 T180

世界の頂点をつかんだ、GT-FOURの黄金期。

時代の空気

1989年登場の五代目は、曲面を生かしたボディで先代の角張った印象から一転。競技ベースでありながら、実用的なクーペとしての完成度も高めた。

このセリカが変えたもの

ST185 GT-FOURはサインツ、カンクネン、オリオールらとWRCで活躍。1993年、トヨタは初のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。

目を引くスタイル

流麗なボディの下に4WDターボの戦闘力を秘め、セリカの国際的な評価を決定づけた。

走りを支えた技術

3S-GTEは国内仕様で225PS。1992年には競技ホモロゲーションを意識したGT-FOUR RCも登場した。

6代目 セリカ

1993 - 1999 / FF / 4WD

6代目 T200

最も攻撃的なGT-FOURを包んだ、丸型4灯のデザイン。

時代の空気

1993年登場。海外ではコンバーチブルも展開され、世界市場向けのスタイル志向クーペという側面も持った。

このセリカが変えたもの

ST205 GT-FOURは国内仕様で255PSを発揮し、GT-FOUR史上もっとも高い市販出力に到達。性能面でシリーズの頂点を担った。

目を引くスタイル

有機的なボディ面と丸型4灯ヘッドライトは、90年代らしい強い個性を持つ。

走りを支えた技術

改良型3S-GTE、4WD、スーパーストラットを採用。RCでは冷却・吸気を含む競技由来の要求を市販車へ反映した。

7代目 セリカ

1999 - 2006 / FF

7代目 T230

軽さと高回転。最後に選んだのは純粋なスポーツクーペだった。

時代の空気

1999年9月に登場。軽量GTの新しい感覚をテーマに、同等グレード比で60-90kgの軽量化がうたわれた。GT-FOURは設定されず、軽快な走りを前面に出す商品へ再定義された。

このセリカが変えたもの

小さく軽い3ドアリフトバックとして登場し、初代とは異なる形で軽快なスペシャルティ性へ回帰した最終世代。

目を引くスタイル

シャープな面構成と低いプロポーション、長いホイールベースと短いオーバーハングで、前世代から大きくイメージを変えた。

走りを支えた技術

SS-IIは2ZZ-GE型1.8Lを搭載し190PSを7600rpmで発生。前輪マクファーソン、後輪ダブルウィッシュボーンを採用し、2006年4月に生産を終えた。